2023.11.29
税理士業界での大きなイベントが、税理士試験の結果発表です。明日(11/30)がちょうど結果発表の日なんですね。明日に結果がわかる方は、5科目合格を達成した人となります。5科目を合格すると官報に載りますので、朝9時前には結果が明らかになります。ただ多くの受験生は、1・2科目ずつ受験しています。実質的には科目合格の通知が郵送で届くのを待つ必要があります。早くて土曜日、遅いと月曜日や火曜日の人もいるかもしれません。
私は2年前に合格して受験生活が終わりました。それでもこの時期は少し緊張します。12年の受験生生活を送ってきたため、身体と心が反射的に反応してしまうようです。各科目の合格率は10~15%ぐらいですので、多くの方が悔しい思いをします。(今年の税理士試験結果)しかも年に一度しかない試験です。1年間勉強してきたことが、たった2時間の試験ではかられてしまいます。
やっぱり運・不運もあります。特に税法科目は半分が、いわゆる理論です。与えられた問題に対する税法解釈を手書き作文するんです。採点基準はありますが、試験委員の方の主観も大きく左右します。試験の手応えと合否が一致しないんですよね。このことが一層の不安と願望をかき立てます。もしかしたら受かっているかも?いや届いていないか?試験委員の解釈によっては?いろいろな意味で心揺さぶられる試験なのです。
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苦しい思いをして受験生活を乗り越えました。合格した時の正直な感想は、、、「やっと、終わったぁ~」でした。合格の喜びよりも、受験勉強が終わった喜びの方が大きかったんです。「もう勉強しなくていいんだ」って気持ちで一杯でした。そしてせっせと独立準備を始めて、事務所を借りて、税理士会に登録して、タクスリー税理士事務所を立ち上げました。受験勉強に比べたら、独立して業務を進めることは苦にならなかったです。タイプもあるでしょうけど、私は受験より実務の方が合っているようです。もう受験勉強なんて二度としない!と決意していました(笑)
ところがっ!です。ありきたりな言い回しですが、受かってからが本当の勉強です。しかも文字通りの机上の勉強です。こういう言葉って『机の上の勉強が終わっても、現場実務の勉強の方が大変だった』的なニュアンスですよね。でも今回使っている意味は、机の上の勉強の意味です💦
もちろん実務の勉強(というか経験)も大切です。それ以上にもっと深く、もっと広く、机上の勉強が必要となります。税務分野なら、税法の細かな規程から政令・通達、膨大な量のQ&A・解説を読み込んでいます。合わせて税務ととなり分野の民法や会社法についても、それなりの理解が求められてきます。しかも学者ではありません。現実に起こっている顧問先の経営課題に有用な部分をピックアップして学習します。
税理士試験の学習は、その多くの時間を税法の条文暗記に充てます。暗記することで理解を深める訳です。僕の経験では暗記しないと理解できないです。それはそれは苦しい時間なのです(鬼勉です)。そうして覚えたことがきちんとアウトプットできるかが試験で試されます。思い返すとこのころの鬼勉が基礎となって、今のより深い勉強に活きてきています。試験勉強を通じて、難解な条文の言い回しや表現を読み取る力が養われていたわけです。
受験生の方には申し訳ないですが、今の苦しみは過程だと思ってください。私はどちらかというと実務が得意で学習は苦手な方です。ですから試験勉強は人よりも長時間を要しました。でもそのおかげと言いますか、皮肉にも「条文理解」や「税法相互の関係への気づき」が良いように思います。やりこみましたので(笑)
受験生のみなさん、今の学習は決して無駄になりません。始めたからには5科目取りきるまでやり切ってください。その後の税理士人生にきっと役立つ力となって返ってくると思います。この業界は結局、一生勉強しないといけないみたいです。
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