2023.06.16
今回は税理士の主要業務の一つである申告業務についてのお話しです。
日本の多くの税金(主に国税)は申告納税制度という形態をとっています。各個人もしくは法人が「自分で」税金を計算して、それを税務署に申告納税する制度です。よく聞く所得税、法人税、消費税、相続税もすべて納める人が「自分で」計算して申告します。申告義務があるのに申告していないと、加算税や延滞税などの罰則があります。「知らなった」では通用しません。
さて収入のあるほぼ全ての方は、この申告を行う義務があります。会社から給料をもらうサラリーマンも例外ではありません。自分は「申告なんてしていない」と感じるかもしれません。ですがサラリーマンの方も原則として申告が必要です。ただサラリーマンの方全員が、確定申告を行う事は煩雑です。代替措置としてサラリーマンに代わって会社が、年末調整という形で申告・納税しているわけです。
サラリーマンであろうとなかろうと、不動産賃貸や副業、株の配当などがある人は所得税の確定申告を行う義務があります。よく聞きますよね。毎年3月15日までに税務署に確定申告書を提出します。
法人の場合は法人税の申告が必要となります。こちらはほぼすべての法人が申告書を作成し、事業年度末から2か月以内に提出となります。(厳密には申告書の提出義務のない法人も存在しますし、提出期限もいろんな特例があります。)
あわせて法人・個人に関係なく、事業を行っている場合は消費税の申告義務をチェックしないといけません。原則として2年前の売上が1000万円を超えた場合は、今年(今年度)から消費税の申告義務があります。消費税は、所得税・法人税のように利益に対してかかるわけではありませんので、赤字も黒字も関係ありません。あるいは納税ではなく還付(税金が還ってくる)となる場合もあります。残念ながらこちらも申告義務があることを「知りませんでした」は通用しません。
こちらはイメージしやすいですね。相続(+遺贈)により財産を取得した場合で、財産の価格が一定以上の時は相続税の申告が必要です。こちらはまたの機会に詳しく書きますね。
これらの国税は、その税金を払う人が「自分で」税金を計算して、「自分で」申告書を作成提出することが原則とされています。でも普通はできないですよね。所得税の申告書でしたら、国税庁のホームページから専用ソフトを使って何となく「それっぽいもの」が作成できます。ただし内容が正しいか、税額が正しいか、専門の知識がなければ検証のしようがありません。ましてや法人税や消費税、相続税となると、一般の方には申告書の記入さえ不可能です。さらに以下のような疑問や不安がたくさん出てきます。
税理士の主要業務である申告業務は、このような各種の申告書を納税者の方に代わって作成し、税務署に提出する業務となります。もちろん複雑な税制をわかりやすくレクチャーし、状況に応じたアドバイスを行います。そして上記のような納税者の不安を取りぞくことも役割の一つです。(現在の税理士に不安のある方はこちらをどうぞ)
この申告関連の業務を行う事は、税理士の無償独占業務とされています。税理士以外の人が他人の申告書を作成することも、手伝う事も、代理で提出することも禁止されています。厳密には税金について相談にのることも禁止です。しかも「無償」独占業務ですので、無料でお手伝いしても法律違反になってしまいます。(税理士に依頼した場合の費用はこちら)
どうでしょうか?今回は税理士業務のど真ん中を紹介してみました。収入のある人すべてに申告義務があります。それも自分で申告するというのが申告納税制度です。そういう意味では中学や高校の教科に「税務申告」を入れないといけないと思います。現状はろくにルールを知らないゲームに全員参加が強制されている状況です。分厚いルールブックをお一人で理解するよりも、ぜひ税理士にお声かけください。(はじめて税理士に依頼する場合はこちら)