2023.07.18
顧問先の方の中で比較的多い業種は貿易業です。神戸という土地柄かもしれません。日本の貿易取扱量では東京・横浜に次いで第三位です。必然的に貿易を行う会社も多く、輸出入の取扱量も多いです。阪神大震災で大きな被害を受けたことにより取扱量は激減しましたが、近年は増加傾向にあるようですね。(神戸経済ニュース)さて、そんな貿易業について今回は特に輸出に関わる消費税について紹介していきます。(輸入取引についてはこちら)
不人気税金投票一位(タクスリー調べ)になるであろう税金が消費税です。私も消費税は大嫌いです(笑)。経済活動は停滞しますし、低所得の人ほど負担が大きくなりますし(逆進性といいます)。計算も複雑で税理士泣かせな税金です。
この不人気税金である消費税の特徴の一つは「国内取引」に対して課税されるという事です。海外での取引には消費税がかかりません。当たり前のように感じるかもしれませんが、他の税金、例えば所得税は海外での利益にも課税されます。あなたが韓国に行って中古自動車の売買をしたとします。200万円で仕入れて300万円で販売すれば、100万円の利益が出ます。この利益に対しては、日本での売買と同じように所得税が課税されます。ところがこの取引に日本の消費税は全く課税されません。海外での取引に消費税はかからないのです。(蛇足ですが、韓国では韓国の消費税(「付加価値税」という)は存在します。)
ではここで質問です。「日本からベトナムに中古車を売りました。さて消費税はかかりますか?」つまり、日本から海外へモノを売った場合は、国内取引なのか国外取引なのか、どっちやねん!ってことです。これは正確に書くと複雑なのですが、国内取引なのです。国内取引で消費税が課税されそうですが、「輸出免税」という特例により消費税率が免税(0%!)になります。つまりモノ(サービスも)を輸出した場合には消費税はかかりません。この中古車を買う人(ベトナムの人)は、消費税を払う必要がないわけですね。つまり中古車を売った私は、相手から消費税をもらわないわけですから、税務署に消費税を納付する必要がありません。
それだけでなく、実は消費税が税務署から返ってきます!なぜかと言いますと、このベトナムに売る中古車は日本で仕入れますよね。この仕入は当然国内取引となりますので消費税がかかります。仕入れた時に消費税を払って仕入れています。この既に払った消費税を、税務署は還付してくれる訳です。海外に売った時に消費税をもらっておらず、国内で仕入れた時に消費税をはらっている。ですのでその払った分は還ってくるのです。輸出企業の多くはこの仕組みによって、消費税を払うことなく、逆に消費税の還付を受けて事業経営をしています。なんだか不思議な制度だな~と思います。このためかどうかわかりませんが、輸出企業が会員の多くを占める経団連とか日本の経済界は、消費税率の引き上げを訴えています。(Yahoo!ニュース)
輸出の場合だけでなく、大きな設備投資をしたり、大赤字となったりした場合も、消費税は還付となる場合があります。消費税の還付を受けるには様々な要件があります。事前に必要な届出書を提出していなかったために、本来は還ってくるはずの消費税が還ってこない場合もあります。また一般的な申告書を提出するだけでなく、明細書の添付も必要となります。
①輸出企業の方、②大きな赤字が出そうな方、③高額な設備投資をする方は、できるだけ早く顧問税理士にご相談ください。もちろんタクスリー税理士事務所でも相談受付しています。事前準備ができなかったために、消費税の還付を受けられない場合が非常に多くあります。ご注意ください。
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