
2026.02.06

2月になりました。花粉症の皆さん、そろそろ準備はできていますでしょうか。
お疲れ様です。今週のブログです。
「チョイパ」…最近、新聞記事で見た言葉です。
これまでは、時間対効果を重視する「タイパ(タイムパフォーマンス)」が若者の価値観として語られてきました。しかし最近、Z世代や、さらに若いα世代の間では、「チョイパ」という新しい考え方が広まりつつあるようです。
これを単なる「若者の流行語」と片付けてしまうのは少しもったいないかもしれません。
この「チョイパ」という視点を取り入れることで、経営のヒントが見えてくるかもしれないからです。
今回は、この新しいトレンドを少し深掘りしてみましょう。
まず、「チョイパ」とは何か。
「Choice Performance(選択対効果)」というような意味で使われている言葉です。
ネット記事などの情報によると、情報過多の現代において「膨大な選択肢の中から最適なものを効率的に選び、その満足度を最大化すること」を指すのだとか。
これまで言われてきた「タイパ」が「無駄な時間を減らす(マイナスの排除)」ことに主眼を置いていたのに対し、「チョイパ」は「限られた時間の密度を高める(プラスの創出)」ことを重視しているそうです。
一日何時間もスマホを触っている彼らですが、ただ時間をつぶしているわけではないようです。
例えば、移動中のわずか3分。 そのわずかな時間でも彼らは漫然とスマホを見るのではなく、AIやアルゴリズムが推奨する「自分に確実に刺さるコンテンツ」を自然と選択し、短い時間で最大の満足を得ようとします。
はたから見ると同じように見える行為、私からは「探すプロセスを省いている」「与えられたものを選ばされている」と映る行動も、彼らにとっては手抜きではなく、情報過多社会を駆け抜けるための「高度な選択技術」といえるかもしれません。
この背景には、現代特有の切実な事情があるようです。
あるデータによると、過去15年で世界のデータ量は約87倍にも増加したと言われています。
私たちは常に情報の洪水にさらされ、何かを選ぶだけで脳が疲弊する「選択疲れ」の状態にあります。
この「選択疲れ」による経済損失は、米国だけで年間約140兆円にのぼると記事にありました。
特に生まれた時からスマホがあるZ世代にとって、時間は「消費するもの」ではなく「投資するもの」。
彼らの心理の根底にあるのは、強烈な「リスク回避志向」だと言われています。
「つまらない動画を見て5分間を無駄にしたくない。」 「ハズレの漫画を買って後悔したくない。」
「タイパ」や「コスパ」の頃からの「合理的思考」に加え、こうした「リスク回避志向」がさらに強くなることで、自分の直感よりも、AIのおすすめや多数の「いいね」がついた口コミ(集合知)を「正解」として信頼する傾向があるようです。
彼らが仕事で手順を省きたがったり、すぐに答えを求めたりするのは、決してやる気がないわけではなく、「無駄な努力を排除し、成果が出る最短ルートを通りたい」という、ある種の合理的な戦略とも言えそうです。
この「チョイパ」思考を理解すると、若手社員への接し方が少し変わってくるかもしれません。
従来から「背中を見て覚えろ」「とりあえずやってみて失敗から学べ」「考える手間を惜しむな」などは、よく言われてきました。
しかし、これらの指導スタイルが正しいかどうかではなく、彼らにとって「時間という資産を浪費させるリスク」と捉えられかねず、最悪の場合、離職の原因になることもあるようです。
ここまでの流れからも、彼らが求めているのは「低労力、高リターン」といえます。 ここで有効なのは、業務プロセスにおける「無駄な探索コスト」を企業側が積極的に排除してあげることになりそうです。
①「正解」へのアクセスを容易にする
社内Wikiやマニュアル動画を整備し、「これを見れば基本はOK」という安心感を与えます。探す時間も省略できるとなお良さそうです。
②ツールの活用を推奨する
ChatGPTなどの生成AIや業務効率化ツールの使用を禁止するのではなく、むしろ推奨します。
「効率化のため」ではなく「創造的な仕事をするため」という文脈で導入するのが、刺激を誘うポイントになりそうです。
技術的や情報管理上の問題もありますが、そこは早かれ遅かれ乗り越えていくべき時代であると私は思います。
具体的な戦略もなく導入するとどちらも大失敗しそうですが、「汎用的な処理は多少粗くてもOK」「ツールを使って賢く成果を出すこと」など、評価する仕組みに変えることで、彼らの目の色は変わるかもしれません。
もし会社のサービスが若年層をターゲットにしているなら、「選ぶ楽しみ」よりも「選ばなくていい安心感」を提供するという戦略も考えられます。
情報過多で疲れている彼らに、「やりたいことができる」「豊富なラインナップからお好きなものをどうぞ」と提案するのは逆効果かもしれません。
むしろ、「AI診断の結果、あなたに最適なのはこれです」「90%のユーザーがこちらを選んでいます」といったネット広告を見たことがありませんか?
どうやら現代は「選択の代行」や「正解の提示」が購買の決定打になることが多いようです。
彼らが求めているのは、商品そのものだけでなく、「短時間で間違いない選択をした」という納得感ではないかと感じました。

「チョイパ」という価値観は、情報過多時代における若者の適応や進化と言えるかもしれません。
若手社員とのジェネレーションギャップや、思うように売上が伸びないという悩みの裏には、こうした「選択の質」に対する価値観のズレが潜んでいる可能性もありそうです。
いかがでしたでしょうか。
今のところ正解は全くわかりませんが、なにか経営に活かせないものかと考えながら、この記事を書きました。「最適な選択(チョイパ)」を、一緒に見つけていきましょう!