2025.12.01
2025.11.25発刊
秋も深まり北国からは雪の知らせもちらほら。これから税理士業界は年末調整、法定調書、確定申告、12月・3月決算法人の申告処理と、繁忙期に入ります。経営者の方にとっても年末、年度末は多忙な時期ですね。一緒に平常心を忘れず乗り越えていきましょう。
【今月のトピック】
・銀行融資を意識した経営（第２回）
・個人事業主も経営セーフティー共済で節税
・当面の経理業務
・経営アドバイス占い ※perplexity AI監修
※事務所news「電子帳簿法の改正など」
【銀行融資を意識した経営（第２回）】
前回は銀行融資にあたり複数の金融機関と交渉することをおすすめしました。今回は損益計算書の作成についてです。結論から言えば上部に表示される利益科目が大きくなるように意識して損益計算書を作成することが重要です。
会社の決算書の一つである損益計算書をよく見てください。売上や交際費などと合わせて、上から「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引き前利益」などの利益科目があります。これらの利益科目にそれぞれ意味があります。
①売上総利益：売上から原価（変動費）を引いた金額
②営業利益：売上総利益から販管費（固定費）を引いた金額
③経常利益：営業利益から雑収入を足し、利息を引いた金額
④税引き前利益：経常利益から特殊な損益を加減した金額
金融機関の融資の基本戦略は、長く安定的に金利を得ることです。つまり本業でしっかりと利益を出していることが重要です。たまたま会社保有の土地を売ったことにより「④税引き前利益」が増えるよりも、本業の売上拡大による「①売上総利益」の上昇が重視されます。
例えば災害などで保有在庫を処分したとします。この損失部分を単に在庫が減少したとして処理すると「①売上総利益」が減少します。しかし、特別損失として損益計算書の下の方の科目で処理すると、「①売上総利益」「②営業利益」「③経常利益」を減少させず、「④税引き前利益」のみを減少させることとなります。
もちろん最終的に利益が出ていることは大前提ですが、どういった意味合いで利益（損失）が出ているのかによって、損益計算書の見え方が全く違うこととなります。これらを意識した損益計算書の作成は非常に神経を使います。税務上の判断だけでなく金融機関向けの判断も重視したい方は、遠慮なくご相談ください。
【個人事業主も経営セーフティー共済で節税】
このメルマガでも何度か案内しています。経営セーフティー共済（倒産防止共済）に個人事業者も加入できることをご存じでしょうか？本来の目的は取引先の倒産による損失に対して臨時貸付を受けるため制度です。
この共済への掛金が支払時に全額経費になります。合わせて40カ月以上継続して掛金を納付した後に解約することで納付額が全額返金されます。（返金時に収益計上）つまり黒字のときに掛金を納付することで節税し、赤字の時に解約することで利益を確保できます。
この共済に個人事業主で加盟できることを知らない方が多いようです。１年以上、事業者として事業所得や不動産所得のある方で、今年、大きな利益が見込まれるなら検討の余地があります。１２月中の掛金納付により最大２４０万円の経費化が可能です。
【当面の経理業務】
〇自動車・自転車などで通勤する方の通勤手当の非課税限度額が引き上げとなりました。ご確認ください。https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm
○年末調整のご準備を
今年から大学生の扶養要件が変更となります。その他、前職の源泉徴収票、住所変更、扶養の変更、 扶養控除申告書に反映させましょう。
○医療費控除のある方、領収書を残してください。協会けんぽから届く「医療費のお知らせ」は 8月分までしか記載されません。9～12月分は、領収証で確認して確定申告します。
○A型
年末ラストスパートで段取り力が神レベルに。締切も申告もスッキリ片づけるチャンスです。完璧を狙いすぎたら「今日はこれで合格！」と自分に判子を押してあげて。
○B型
忘年会シーズンでテンション高めの12月。あなたのひらめき企画が一年の締めくくりを彩ります。アイデアが出すぎたら「続きは来年のネタ」で温存を。遊び心が売上も呼び込みます。
○O型
「社長サンタ」運が到来。太っ腹な決断とねぎらいの一言で、社員満足度が急上昇しそう。つい奮発しすぎたら、 来年の自分にバトンタッチ。笑顔と感謝が最高の投資です。
○AB型
冷静に一年を総決算する達人モード。数字も戦略もキレキレですが、たまにはユーモア混じりの総括を一言。シビアな分析にクスッと笑いを添えれば、「知的で楽しい社長」の称号獲得。
毎月25日発刊、月刊taxLee第31号でした。本メルマガの転載・転用・引用はご遠慮ください。過去のメルマガが気になる方はこちらからどうぞ。
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