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消費税減税?もし食品の消費税が0%になったとしたら…【飲食店編】

2026.02.27

今、国会で話題の「食料品の消費税率を0%」にするという話、「もし現実になったら、飲食店にとって面倒なことになりそうだな」と思ったのが私の第一感でした。飲食店の現場で何が起きるのかを具体的に考えてみたところ、法律だけでは見えてこない厳しい問題点がいくつか浮かんできました。
(※これはあくまで仮定の話であり、食品消費税0%について具体的な決定があったわけではありません。)


コンビニ飯が強い!

まず何より懸念されるのが、コンビニやスーパーで売られる食材の税率が0%になることで、自炊や中食との価格差が今よりもずっと広がってしまうことです。
最近はっきりと「外食が高くなった」と感じますが、この減税は決定打になる可能性を秘めています。

特に、コンビニ等の「中食」勢力。
あの組織力と経営力をもって、さらに8%の飲食店勢と価格差が開くのです。

「今よりコンビニ飯が1割近く安くなる」というインパクトは、消費者に強く響くと思います。
この価格差を跳ね返すほどの、「おいしさ」や「楽しさ」といった付加価値で飲食店は立ち向かえるのか。安さが売りの店や、お酒メインでない店などは経営がさらに厳しいものになりそうな気がします。


仕入れ先が「価格据え置き」なら実質的な負担増

次に、食材の仕入れ値の問題です。理屈の上では、業者が卸す肉や野菜の消費税も0%になるはずですが、そう簡単にいくとは思えません。

人件費や物流費の高騰で苦しんでいるのは、業者も同じです。彼らからすれば、今回の減税分をそのまま卸値の引き下げに充てるのではなく、自分たちのコスト補填のために「価格を据え置きたい」という気持ちが出てくるでしょう。
もし仕入れ価格が変わらなかったらどうなるでしょうか。
本来減るはずだった税金分がそのままお店の負担として積み上がり、利益は削り取られてしまいます。
仕入れ先との信頼関係を維持しつつ、実質的な負担増をどう回避するか。
これも非常に難しい問題です。


テイクアウト販売導入の検討

もし、食品0%の対象が現行の軽減税率の延長線上であれば、飲食店の対象は「持ち帰り(テイクアウト)」のみに限定されることになります。「店内で食べれば10%税金がかかり、持ち帰れば0%」。

例えば高級店や酒場のように、サービスや雰囲気、お酒が「売り」の店であれば、影響は少ないといえます。(ちなみにお酒は現在も軽減対象ではありません。)
しかし、それ以外の店ではテイクアウトの導入などの何らかの打ち手を検討する必要があります。
大きな商機となる可能性も秘めていますが、リスクをどう舵取りするか、ここも非常に悩ましい判断を迫られます。


食品は「非課税」か、「免税」か

そして、経営者として警戒すべきは、この「0%」が税務上でどう扱われるかという点です。もし食品が「非課税」扱いになれば、仕入れ先やテイクアウト主体の飲食店にとっては深刻な事態となります。
消費税の基本的な計算として、売上にかかった消費税から仕入や経費に掛かった消費税を引いて差額を納税するのが原則です。
ところが、非課税売上を得るために支払った経費の消費税は、確定申告で差し引く(控除する)ことができないのです。

一方で「免税(ゼロ税率)」であれば、売上の税金は0円でも、経費にかかった税金は国から返してもらえます。
現状は「食品0%」と言っているので、おそらく免税の意味なのだと思いますが、この差は大きいですよね。
理解不足の国会議員が「非課税」と言い間違えて、炎上したこともあるほど、この部分は食品を扱う経営者にとっての「やばい」ポイントです。


避けて通れない「事務負担」と「課税方式の選択」

最後に、これまた面倒な懸念は税金の申告です。詳しい説明は割愛しますが、これまで当たり前に行っていた消費税の申告方法や記帳方法を、根底から見直さなければならなくなります。

端的に言えば、「どの計算方法が自店にとって有利か」が今までと変わる可能性が高いのです。

・これまで「一般課税」で実額計算をしていた店が、簡易課税に切り替えたほうが有利になる。
・逆にテイクアウト主体の店では、簡易課税や2割特例よりも「一般課税」のほうが有利になる。

といったケースが考えられます。
どんな方法が得になるかは、店の原価率や経費の構成によって全く異なります。実際に比較検証しないと、正解はわかりません。

いずれにしても、まずはなんとか申告方法を検討して、その計算方針に従った記帳を行う必要があります。
その事務負担は経営者のみならず、記帳を請け負う税理士事務所にとっても大きな負担増になりそうです(泣)。
そして、誤った申告書が多数提出されるだろう税務署も大変であろうことが安易に想像できます。
税務処理の複雑化と、それに伴うコスト増や混乱。
国民のため?の提案は、この三者にとって三方一両損の誰も得しない?案かもしれません。


以上が、私がふわっと思いついた問題点となります。
飲食店にとって、降ってわいたこの問題。我々、税理士事務所もそうですね。
今のうちから準備を進め、いかに「好転」につなげていくか。新しい経営の形を模索することが、生き残りに不可欠だと感じました。

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